このお祭りの初日は、ダンスやよさこいの演舞、地元中学の吹奏楽部や高校の軽音楽部の演奏などのプログラムが行われ、2日目は、「大食い女王 アンジェラ佐藤と大食い対決」や、北海道を中心に活動している3人組ハンバーガーボーイズのライブと並ぶメインイベントのひとつとして、「全日本毛がに早食い競争」が開催された。
優勝者には、毛ガニが20杯贈られる。2位は10杯、3位は5杯、4位は3杯、5位は2杯、6位は1杯。お金に換算したら、相当な額になる。産地ならではの大盤振る舞いだ。
参加人数は30名で、先着順。いつ募集が始まるのかわからなかった僕は、そわそわしながら毎日ホームページをチェックしていた。すると、長万部観光協会のXアカウントで先行して告知しているのを見つけた祭りの同行者が連絡をくれて、すぐにメールを送信した。長万部商工会の加藤さんによると、最終的に50名ほどから申し込みがあったというから、前のめりに申し込んでよかった。
早食い競争は、6名ずつ5回に分けて行われる。僕は1組目のトップバッターとして名前が呼ばれた。この日のためだけにメルカリで購入したカニのイラスト入りのTシャツをアピールしようと、胸を張る。司会の女性に「強そう」とコメントをもらい、やる気がみなぎる。
冒頭に記したように、スタート前と90秒後に毛ガニの重さを計測し、その差が大きい人が優勝。例えば、300グラムの毛ガニが50グラムになっていたら、250点になる。もし食べきったら300点。大切なポイントは、今回から女性にハンディを導入したことだ。
「これまで男性が上位を独占していたので、女性も優勝できるようにルールを改正しました。 昨年のデータで男性の平均値が124グラム、女性の平均値が78グラムだったので、最終的に計量したグラム数に、女性は40グラムをプラスすることにしました」
今回、もうひとつ重要なルール改正があった。過去の優勝者はエントリーできなくなったのだ。昨年のニュースを見ると、2023年、24年と連覇した人がいた。恐らくこの人が「別世界の食べ方」をする人だろう。参加者全員の優勝の可能性とモチベーションが高まるいい改正だと思う。