会場には毛ガニ以外にもたくさんの出店があり、カキ、エビ、ホタテ、地元産のチーズ工房が作っているジェラート、ラムの焼き肉など長万部ならでは、北海道ならではの食べ物が売られている。僕はこれまた「せっかくだから」と目についたおいしそうなものを一通り購入して、食べまくった。もちろん、「かにめし本舗かなや」も出展していて、かにめし弁当が2日で1500個売れたというから、とんでもない数だ。




かにめし弁当のファンは、北海道内外にたくさんいる。同社の取締役、松島さんによると現在は札幌、旭川、函館などのデパートやスーパーでも販売していて、例えば函館だけでも多い時には1カ月で約5000個売れる。お弁当はすべて長万部で作っていて、温度管理が難しく、配送業者に依頼できないため、4代目社長の金谷圭一郎さんや松島さんがトラックのハンドルを握り、現地まで届けているそうだ。松島さんが開発に携わり、完成まで6年かかったという渾身の冷凍かにめし弁当も、よく売れる。
「冷凍の弁当ができた2009年にコープさっぽろから声がかかって、実験的に一度、宅配で販売してもらったんです。2000個売れるかなという予想で予約を取ったら、1万個を超えちゃってね。納品するまでに1カ月もかかってしまったので、今は年に2回、4000個限定で販売しています。それで4000個売れますよ。通販もしていて、だいたい1年間で5万食は出ます。沖縄からも注文が入るんですよ」
「かにめし本舗かなや」の本店やドライブインで販売する数は減っているものの、北海道各地で売るお弁当や冷凍弁当で売り上げをカバーできているそうだ。一番の課題は、人手不足。今は弁当の作り手も配送のドライバーも足りでおらず、デパートやスーパーが求める注文数に応えられていないという。
「おしゃまんべ毛がにまつり」で、初めて「かにめし本舗かなや」のかにめし弁当を食べて、「また食べたい!」と思う人もいるだろう。ニーズがあるのに人手不足で作れないという悔しい現状を聞いて、もったいない! と強く思った。