最高の素材を使いながらも、日常的な価格で提供できている理由はどこにあるのだろう。平澤さんによると、メニューを絞り込み、すべてを店舗でイチからつくることにした結果、加工品をつかうよりも価格をおさえることができたという。
「一般的にハンバーガー店はバンズの原価がすごく高いんです。バンズは加工するのに、時間や人件費、さらに物流費もかなりかかる。でも僕らは店舗で作ることで物流費や加工費を大幅に削減できています。ポテトも生のじゃがいもを焼いているので、冷凍フライドポテトを仕入れて揚げるのとは油の量もぜんぜん違う。これらが積み上がって、販売価格を抑えつつヘルシーにもなっているんです」
ただ、と平澤さんは苦笑する。
「手づくりを強みとしたものの、想像していたよりもずっと大変でした。たとえばじゃがいもは、洗って芽を取り水にさらすところからです」
じゃがいもだけでも大変さが伝わるが、それだけではない。ピクルスはきゅうりを刻んで自家製のピクルス液に漬ける。バーガーに挟む玉ねぎは、皮をむいてスライスし、トマトやレタス、アボカドも……。これらを限られた人数で、数百食分用意すると考えたらめまいがするような手間だ。
オープン当初から外まで列が伸びるほどの客が訪れたのは嬉しい誤算だったが、混乱も招いた。
「注文のスピードに対し調理が追い付かず、お客様をお待たせすることもありました。ハンバーガーって、すぐに提供されるイメージがあるじゃないですか。だから、『手作り』という商品のコンセプトを打ち出したものの、難しさを感じることもありました」
今はその状況も改善されつつある。取材をした2026年2月現在、BURGER TERRACEで勤務する利用者は14名。3月には定員上限の20名に達する予定だ。1日に12~14名ほどが働いており、分業の仕組みが整ったため作業効率も上がっている。