調べたところ、そもそもカエデの樹液を利用していたのは、北米大陸の先住民。樹液に焼いた石を入れ、水分を飛ばして固めた「メープルシュガー」を使っていたそう。1600年代、移民としてヨーロッパの人々が北米大陸に渡ってきた時、その知恵をシェア。1800年代から1900年代にかけて、現在のメープルシロップの製法が確立した。
グローバルな市場調査企業Fortune Business Insightsによると、世界におけるメープルシロップの市場規模は約2613億円(2025年)で、2034年には約4828億円まで拡大すると予想されている。今やメープルシロップは世界的に見ても一大産業なのだ。
ギャニオンさんは、ケベック州のなかでも自然豊かな地域で生まれ育った。祖父も、父親も昔ながらの方法でメープルシロップを作っていて、子どもの頃、樹液が入ったバケツを運ぶのを手伝っていたそう。ギャニオンさんの家では、砂糖代わりにメープルシロップを使う。それは、ケベック州で当たり前の風景だ。
「メープルシロップはおいしいし、身体にもすごく優しいからね。いつもテーブルのうえに置いてあって、料理を甘くしたい時に使います。私はベーコンにメープルシロップをかけるメープルベーコンが一番好きです」
ギャニオンさんの祖母はスープや肉料理のソースに使い、母親はいつもメープルシロップを使ったケーキを焼いてくれたそう。日本の醤油のように、ケベック州では調味料として根付いているのだ。ギャニオンさんは今も日常的にメープルシロップを使っていて、なんと納豆を食べる時にも醤油、からしとメープルシロップをかけて食べるという。