未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
302

北海道の森から始まる甘いチャレンジ メープルシロップの伝道師が抱く夢

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.302 |10 April 2026
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#10メープルウォーターで乾杯!

ハーベストイベントの参加者。中央で膝をついている男性が持つタンクに、今回採取した樹液が入っている。

「ハーベストイベント」は、北海道メープルプロジェクトのメンバーと一緒にカエデの森を散策したり、工房でメープルシロップを煮詰める様子を見学したりするイベント。樹液が採れる2月と3月の週末に開催されていて、2月28日はスウェーデンヒルズの住人7人に加えて、ギャニオンさんのお店の近所に住んでいるという夫妻と、現在夫妻宅に滞在しているカナダからの留学生、17歳のメーガンさんの計10人が参加した。

  • カエデの森をぐんぐん登る。
  • この日も樹液がたっぷり溜まったバケツがあった。

13時をまわった頃、メープルハウスから山まで約1キロ歩くところからスタート。スノーシューズを履いて、道なき道を行く。山についたら、プロジェクトメンバーからカエデやメープルシロップについて説明を受け、その後に樹液採取体験! 山の入り口に設置されていたバケツにたっぷりと樹液が入っていて、参加者から歓声が上がる。紙コップが配られて、その樹液で乾杯! メープルウォーターは普通の水よりもほんのり甘い。

樹液をカップに移して、みんなで乾杯!

その後、山の上にあるバケツも見回り、樹液を回収する。前日に僕らがほとんど小屋に持って帰ったのに、それでもバケツには樹液が溜まっていた。冒頭に記したように、カエデ1本の樹から採れる樹液は1シーズンに約50~60リットルとかなりの量だ。これだけ採っても翌年にはまた同じように樹液が採れるのだから、カエデの生命力は強い。

エバポレーターから、樹液の甘い香りがする湯気が立ち昇る。

カエデの森を楽しんだ後は、メープルハウスに戻って工房見学。ギャニオンさんが早朝から煮込んでいた樹液は、すっかり黄金色に色づいていた。ギャニオンさんはこまめに糖度を測りながら、メープルシロップの作り方について説明をする。ずっと薪を燃やし続けている工房のなかは、少し暑いぐらいだった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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