未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
90

世界最小の鹿を“のぞき”に行きませんか?

埼玉にプーズーがやってきた!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.90 |10 May 2017
この記事をはじめから読む

#8見どころいっぱい

とにかく動物との距離が近い。

 気づけばもうお昼過ぎ。ペンギンとプーズーのお世話がある小山さんにお礼を言って別れ、広大な埼玉県こども動物自然公園を歩いた。さすが、「エンリッチメント大賞」を4回も受賞しているだけあって、見どころが多い。

 カンガルーやカピバラの展示スペースには、動物と人間を遮るものが低い位置に張られたロープ一本! いきなりの蒸し暑さでカンガルーもカピバラも木陰でゴロンと休んでいるのに、妙に胸がドキドキする。

 約5000平方メートルある、自然のままの雑木林にシカとカモシカが放たれていて、ウッドデッキを歩きながらその姿を探す「シカとカモシカの谷」も、ほかでは見られない展示だ。本当に森のなかでシカとカモシカに遭遇したような気分になる。

レッサーパンダの展示場所は「(施設内に生えている)木に登らせてあげよう」ということで決まったそう

 レッサーパンダの展示場所は植物が生い茂っていて、レッサーパンダがどこにいるのか一瞬わからなかった。

 とんでもなく広い園内をぶらぶらしていると、動物園の「なんとかして動物たちの環境を良くしてあげたい」という強い想いと工夫をひしひしと感じた。
 そして、小山さんの話を思い出してはニヤニヤしていた。だって、想像してほしい。ペンギンヒルズでのびのびと暮らすペンギンにまじって、プーズーの親子が草を食む姿を。

このエントリーをはてなブックマークに追加


未知の細道 No.90

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。