未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
163

『旅の思い出』編 北の大地をロードムービーのように 親子三人、キャンピングカーで旅をした

文= 川内有緒
写真= 川内有緒
未知の細道 No.163 |10 June 2020
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#5北海道は本当にデカい!

夕方、さらに東に向かってクルマを走らせた。昼間たっぷりと遊んでいるだけあり、娘は夕方になると決まって昼寝をした。その間に、とにかく距離を稼いでおきたい。
それにしても、どこで寝るのかが決まっていない毎日は、なかなかスリリングだった。温泉を見つけては入り、夜ご飯を食べながら、どこのキャンプ場に行くかを考えるのだ。

時折、知床まであとどれくらいなんだろうとスマホで検索し、その度に愕然とした。私たちは確実にゴールに近づいてはいたが、一般道で進んでいるのでまだまだ遠かった。何よりキツイのは、走っても、走っても似たような景色が続き、前に進んでいる感じがしないこと。
「“北海道はでっかいどう”って聞くけど、本当だね!」と夫に声をかけた。
北の大地の雄大さにおののいていると、徐々に空が赤く染まり始めた。
「わあ、夕焼け!綺麗だよー」
「ちょっと降りてみよう」
私たちは道端に車を寄せ、静かに変わりゆく夕刻の空を眺めた。空全体が藍色から紅色までの見事なグラデーションを作り上げていく。

そうこうするうちに、夕暮れの中に湖が見えてきた。
山をバックに抱いた広大な湖を前にして、ずいぶん遠くまで来たなあという感慨が広がった。それは、日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖だった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。