そうして、最後の二日間で、摩周湖や阿寒湖、士幌高原をぐるりとめぐり、再び旭川に戻った。道東から戻ると、ビルが立ち並ぶ旭川はものすごい大都会に見えた。
道東は、ガイドブックや想像をはるかに超えてすばらしいところだった。夏の終わりに吹く風は爽やかで、空はどこまでも高く、森は瑞々しく輝いている。ファミリーレストランもショッピングモールもなく、ただ静かな草原の合間に牧場や森、小さな町が現れ、私たちはただひたすら広い大地をドライブし、動物に出会い、景色のページをめくり続けた。
キャンピングカーの旅は、やはり自由だった。ロードムービーさながらに、道端で見かけた場所に惹かれるままに立ち寄り、思いがけない出会いを楽しんだ。
もちろん、ちゃんとした計画もなく、一から十まで自分たちで決断するわけだから、ときに失敗してしまうこともある。しかし、だからこそ私たちは、自由な旅だけが持つ魔法に触れることができるのだ。
そうだ、旅の最終日には、旅の神様から素晴らしいプレゼントもあった。
士幌高原のキャンプ場の奥に広がる森で、野生の鹿の親子と出会ったのだ。鹿の親子は小川で水を飲んでいた。
私たちは、ただそれを長いこと見ていた。