『旅の思い出』編 年越しはパワスポ巡り！？ 20人乗りバスで行く、関東近郊旅。

かくして、不安いっぱいのまま迎えた、2011年12月31日の新宿駅西口。次々と同世代の男女が集まってきてバスに乗り込む。

当日までに旅の行程や金額もしっかり知らされていて、この年の行き先は長野県。戸隠神社にお参りし、温泉宿に泊まり、新年には善光寺でもお参りして帰路につく。そんなコース。

ここで少し、そもそもの話。「パワスポ旅行」と呼ばれるこの大人の遠足は、2007年から続いているらしかった。もともとは、外国人の友人の多かった仲間同士で、日本有数のパワースポット伊勢神宮に初詣に行く計画をしたのが始まり。初年度から20人ほどの参加、バスをチャーターしての1泊2日旅行という条件は続いているそうだ。

さて、出発してしばらくして驚いたのは、立派な手作り弁当が配られたからだった。料理上手のT君が、当時シェアハウスに住んでいた人たちと作ったものだという。食いしん坊の私、このお弁当のクオリティに心の鎧が一枚剥がれた。

みんなの酒豪っぷりには驚いたが、楽しいお酒ってこういうことだ！と納得する陽気さ。いわゆるタチの悪い酔っ払いには、その後もこの旅で出会ったことがない。集合時間などを守ればあとはマイペースな大人の旅。それぞれが楽しんでいるのもいい。

生まれて初めて家族以外と過ごす年末年始だった。戸隠神社でも、善光寺でも、「彼と結婚できますように」と願ったことを覚えている。全く予想していなかったのだけれど、彼の大学時代からの、とくに女友達たちとは、これから仲良くなれそうな気がした。大人になってしまえば、友達はなかなかできないと思っていただけれど、まさか半ば嫌々参加した旅行でこんな出会いがあるとは。