未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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笑顔重視のアイデアで来園者が急増! 「日本一安い遊園地」の再生物語

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.178 |25 January 2021
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#93世代で来園

3世代で来園していたファミリー。おじいちゃんと孫でウェブスターライドに。

るなぱあくは、お客さんにとってどのような存在なんだろう。たまたま、おじいちゃん、おばあちゃん、ママ、子どもの5人で来園していた家族が2組いたので、ママさんに話を聞いてみた。地元出身というママさんは、なんと「子どもが生まれてから35年ぶり」のカムバック!

「子どもは今3歳なんですけど、最初に来たときは35年ぶりでした。懐かしい記憶がよみがえりますね。その時に遊んだものも、そのまま残ってます。ほかにも県内に遊園地はありますけど、ここは安いから気軽に来れますよね。これからも年に何回か来たいなと思います」

もうひとりのママさんは、市外から引っ越してきた方。でも、子どもの時に連れてきてもらったことがあるそう。

「0歳から乗れるのが多いから、嬉しいですね。子どもが小さいと、ほかの遊園地は乗れないのが多いじゃないですか。ここなら、子どもにあれは乗れないよって言わなくていいのがいいですね」

ふたりの話からわかるのは、安さと0歳から楽しめることが評価されていること、さらにもうひとつ、地元密着ぶり。ふたりとも子どもの時に来ていたなんて!

遊園地というと、特別な日に行く特別な場所というイメージがあるけど、るなぱあくはきっと、前橋市民の日常のなかに溶け込んでいる。それほど特別感がないせいで客足が遠のいたこともあったけど、原澤さんやスタッフさんの尽力で新たな魅力が増したことで、新規のお客さんだけでなく、かつてのユーザーもまたるなぱあくに戻っているのだろう。

この記事に記したことのほかにも、原澤さんからたくさんのアイデアを聞いた。このレトロで小さな遊園地が、これからどんな進化を遂げるのか、気になってしょうがない……ということで、僕もリピーターの仲間入り。

豆汽車。たまたま貸し切り状態だったので先頭に陣取った。
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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