取材の日、話を聞かせてくれたのはBURGER TERRACEを運営するデコボコベース株式会社の平澤克教さんだ。
デコボコベースは発達障害のある子どもや大人の社会的自立を支援する会社で、学校が終わった後に子どもたちが通う「放課後等デイサービス」や、一般企業で働くためのスキルを身につける「就労移行支援事業」などを手がけてきた。
2026年1月時点で、全国385か所に拠点をフランチャイズ展開している。
そして今回初めて、障がいのある人と雇用契約を結び、働く場所を提供する「就労継続支援A型事業所」を開設した。利用者はBURGER TERRACEで働きながらスキルを磨き、1~2年後を目安に一般企業への就職を目指すという仕組みだ。
なぜこの新しい事業を始めたのか。平澤さんはこう教えてくれた。
「発達に特性があるお子さんを支援する事業を続けるなかで、親御さまたちが『この子の将来が心配だ』と口にされるのをたくさん見てきました。それなら私たちが、彼らが安心して働ける場所をつくろうと思ったんです」
また、2024年に施行された「報酬改定」も、新事業を始めた理由のひとつだという。
簡単に言うと「利用者が一般就労に向けたスキルを身につけられる環境であるか」「事業として黒字経営できているか」などが厳しく評価されるようになった。つまり、商品やサービスの売上が少なく赤字経営だったり、利用者の平均労働時間が短かったりする事業所は、国から得られる報酬が減ってしまうのだ。
その結果、経営が立ち行かなくなった多くの事業所が廃業し、全国で約1万人もの利用者が働く場所をなくすという深刻な事態が起きた。
平澤さんは言う。
「福祉サービスを提供する側の都合で、多くの利用者さんが職を失ってしまったのは本当に残念なことでした。だからこそ私たちが、きちんと利用者さんを雇用して給料を払い、そこから一般就労につなげていく仕組みをつくろうと考えたのです」
そのためには、商品やサービスがきちんと評価される事業にしなくてはならない。こうして生まれたのが、素材と手作りにこだわったハンバーガーだ。
この店舗を一号店として、将来的には全国にチェーン展開していく構想を描いている。「すでに全国385か所でフランチャイズ展開をしてきたノウハウがある。それをハンバーガー事業にも活かせると思っています」と平澤さんは言う。目標は、2年で30店舗。ゆくゆくは300店舗を目指す。