未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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世界最小の鹿を“のぞき”に行きませんか?

埼玉にプーズーがやってきた!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.90 |10 May 2017
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#6埼玉県こども動物自然公園の宝物

昨夏にチリから来日した4頭のプーズー。

 動物たちが見せる「自然な行動」の最たるものは繁殖だ。その場に馴染み、リラックスして初めて元気な子どもが生まれる。
 その点、4頭のプーズーは、昨年7月に南半球の真冬のチリから、真夏で「日本一暑い動物園」(小山さん)にきたにもかかわらず、環境に適応して一組のペアが出産に至ったことで、手ごたえを感じているという。

「2月9日に生まれた時、赤ちゃんの体重は592グラムで、ほんとにこれが鹿か!って思いましたね。小さい分、体温調節の能力が弱かったので、温度管理に気を使いました。お母さんも初産で神経質になっていたから、できるだけ刺激しないように気を付けました」

 僕が訪れた時はすでに2800グラムになっていたけど、それでも子犬ぐらいのサイズでとても愛らしい。プーズーの赤ちゃんを見た子どもたちはみな、「小さい!」「かわいい!」と展示スペースのガラスに顔を張り付けていた。

赤ちゃんプーズーのラピス。背中の斑点は大きくなると消える

 プーズーの赤ちゃんの名前は来園者の投票でこの4月に「ラピス」に決まったのだけど、その投票数が1687票もあったというから、プーズーの人気がうかがえる。ちなみに、ラピスの由来は、チリ産の宝石「ラピスラズリ」に由来するそうだ。確かに、ラピスは埼玉県こども動物自然公園の宝物である。

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未知の細道 No.90

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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