未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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化石を愛する人が集うまち・いわき 人生初の「アンモナイト」発掘に挑む

文= 柳澤聖子
写真= 柳澤聖子
未知の細道 No.281 |26 May 2025
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#3日本列島がまだ存在しなかった太古の地球で

化石への思い入れを深めるには、なによりも想像力が大切なのではないか。私は今回の取材でそう学んだ。

なので、まずは一緒に8900万年前、白亜紀後期の地球を想像してみてほしい。以下は、研究員の歌川さんに教えてもらったり、自分で調べてみたりしてわかったことだ。

8900万年前の地球は、今よりもずっと温暖な気候で海水面も高かった。今の地球の地形とは、まったく異なる姿だったのだ。

日本列島はまだ存在せず、大陸と地続きの一部だった。その頃の森は、シダや裸子植物がうっそうと生い茂り、恐竜たちの楽園だった。

アンモナイトは、現在の生き物だとイカやタコの仲間に近い生物らしい。海流に乗ってふわふわと漂う巨大アンモナイトが、水を吸ったり吐いたりしながら泳いでいた。また浅瀬には比較的小型のアンモナイトや二枚貝が生息していた。それらを食べるモササウルスや古代サメなども、同じ海に泳いでいたという。

そして約4億年前から存在してきたというアンモナイトは、多くの種に分かれながら進化し、最終的には恐竜と共にすべての種が絶滅した。

研究員の歌川史哲さん。白亜紀後期の海の様子が描かれたイラストの前で

この体験発掘場は、かつて約8900万年前の海底に堆積した砂や生物の遺骸が地層となり、地球のプレートの動きで地表に押し上げられてできた場所だ。

私たちは、その壮大な地殻変動を経た地球の今を生きている。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
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