未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
282

日本初・誕生の裏側をたどって 幻の白いオオカミに会いにいく

文= 奥村サヤ
写真= 奥村サヤ
未知の細道 No.282 |10 June 2025
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#5展示施設はスタッフの手作り!?

聞けば、開園20周年を記念して2017年にオープンした「熱帯の森」は、スタッフ総出でつくり上げた施設なのだそう。

「ここは、昨年亡くなった前園長・佐藤哲也の頭の中にあったイメージをもとにつくられた施設です。設計図はなく、頭の中にある構想を聞き取り、それを絵の得意なスタッフがスケッチに描き起こしました。木の生え方ひとつまで何度も描き直しが入るほど、細部までこだわり抜かれていて。スケッチをもとに、また別のスタッフが図面を起こし、工事が進められたんです。土台づくりや造形など、実際の作業も私たちも手伝いました」

活発にのっそり動いていたナマケモノ!

前園長の頭のなかにあったのは、動物たちがありのままに暮らす空間に、人間がそっと入り込ませてもらうようなイメージだったのかもしれない。まず、熱帯の森には柵がない。手を伸ばせば届く近さで、 鳥が羽ばたき、ナマケモノがゆっくりと枝を渡っていく。

取材ということを忘れて、気づけば夢中でこの空間を楽しんでしまった。我に返って後ろを振り向くと、平野さんが「みんなこうなるんですよ~」と嬉しそうににこにこしていた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。