栃木県那須郡
2024年5月、栃木県・那須どうぶつ王国で、日本で初めてホッキョクオオカミの赤ちゃんが誕生した。“幻の白いオオカミ”とも呼ばれるその姿に、胸をときめかせた人も多いだろう。その裏側にはどんな物語があるのだろう。飼育員さんたちの奮闘を知りたくて、那須どうぶつ王国を訪ねた。
最寄りのICから【E4】東北自動車道「那須IC」を下車
最寄りのICから【E4】東北自動車道「那須IC」を下車
それは一目惚れだったかもしれない。
6月6日、娘の6歳の誕生日に訪れた「那須どうぶつ王国」で、生まれてはじめて“白いオオカミ”を見たときのことだ。ガラス越しに広がる、針葉樹の森のような飼育場。その奥からゆっくりと姿を現し、落ち着いた足取りで勇壮に歩く姿に、一瞬で目を奪われた。
雪に溶け込むような真っ白な毛並みと、スラリとした長い手足。凛とした気品をまとって、ただそこにいるだけなのに目が離せなかった。
主役の娘を差し置いて、ガラスにへばりつくように見つめていると、なんとこちらに向かって歩いて来る。「ファンサービスしてくれるの……!?」いそいでシャッターを切る。ピースをする娘のうしろで、オオカミは「なんてことないよ」とでも言うように涼しい顔をしていた。
“幻の白いオオカミ”とも呼ばれるホッキョクオオカミは、北極点に近いグリーンランド北部に生息している。マイナス50度にもなる厳しい環境のなかで暮らしているため、その生態はまだ解明されていないことも多いのだそう。
人を寄せ付けない、極限の世界を生き抜くオオカミ。けれど、ガラス越しに見る表情はやわらかく、瞳の奥は果てしなく優しい。その日は、広い園内を楽しみながらも、彼らのことで頭がいっぱいだった。娘もすっかり虜となったようで、帰りのお土産コーナーでは白いオオカミのぬいぐるみが誕生日のプレゼントとして抜てきされた。
「しろーどん」と名付けられたその子は、北海道にもキャンプにも、家族のお出かけにいつも連れ出された。見た目が「くろーどん」に近づき、くたくたになった今でも娘の相棒だ。
「那須どうぶつ王国」でホッキョクオオカミに赤ちゃんが生まれたというニュースを目にしたのは、2024年5月のこと。絶滅危惧種であるホッキョクオオカミの繁殖は、日本初の快挙だ。
那須どうぶつ王国の公式Xが投稿した写真には、2匹の小さなオオカミがぴったりと寄り添っている。見た瞬間、目からハートがでた。いいねを100万回押したい!!!
??? ビッグニュース ???
— 那須どうぶつ王国 (@nakprstaff) June 24, 2024
ホッキョクオオカミの赤ちゃんが2頭産まれました!!!
詳しくは王国公式noteをご覧下さい↓https://t.co/AnNa228Rst#那須どうぶつ王国#ホッキョクオオカミ#オオカミ#Arcticwolf#zoo#animal pic.twitter.com/6kXgbkH3dH