未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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宇宙の出島「コスモアイル羽咋」へ――本物を信じた男の軌跡を追って あなたはUFOを見たことがありますか?

文= きえフェルナンデス
写真= きえフェルナンデス
未知の細道 No.294 |10 December 2025
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#6宇宙船を運んだ交渉の夜

取材は高野さんが住職を務める妙法寺で行われた

ーー単身アメリカに飛び、「親父」であるコールマン大佐から広がった人脈のおかげで、NASAの扉が開きました。収蔵庫に入れてもらって、「これと、これと、これ貸してください」とお願いして、レンタル契約を結んだんです。

レンタル希望期間の欄に「100年」と書いたら大笑いされました。「こんな日本人、見たことない」って。「香港にも100年貸しているなら、僕らにも100年貸してください」と頼むと、「面白い」と言って、本当に貸してくれたのです。

しかし、旧ソ連、今のロシアは違いました。

ソ連崩壊直後、多くの軍人が宇宙船を売りたがっていた。最初の見積もりは1台1000万円。ロシアで受け取るのではなく、NASAに運んでもらい、友人のNASA広報部長に、本物かどうか鑑定を依頼しました。彼なら本物か偽物か、一目で見抜ける。

ところが、アメリカまで運ばせたら、値段が6000万円に跳ね上がっているんですよ。

「なんで6倍になるんだ!」

NASAの広報部長は、「タカノ、本物だぜ。絶対に買うべきだ」と耳打ちしてきましたが、僕は賭けに出ました。

「この金額ならいらない。ロシアに持って帰ってくれ」

交渉は決裂しました。翌日、ホテルのレストランで顔を合わせても、相手は口もきかない。そのときの彼らの目つきといったら、「殺してやる」と言わんばかりでした。渋々交渉を再開し、「本物だとこちらで証明できたら小切手を渡す」ということで、機材はすべて置いていってもらい、最終的に元値で購入できました。

実際に購入できた3機は、宇宙から帰還した『ボストーク』と、世界に一つしか残っていない『ルナ24号』のバックアップ機、そしてモルニア通信衛星です。

僕は「本物」にこだわりたかったんです……。

宇宙科学展示室
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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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