未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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宇宙の出島「コスモアイル羽咋」へ――本物を信じた男の軌跡を追って あなたはUFOを見たことがありますか?

文= きえフェルナンデス
写真= きえフェルナンデス
未知の細道 No.294 |10 December 2025
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#7本物にこだわる理由

1996年7月1日、「コスモアイル羽咋」が完成した。

そこに至る道のりは、常識を超えた「ハッタリ」と「奇跡」の連続だった。なぜ高野さんは、そこまで“本物”にこだわったのか。

「答えは簡単です。張りぼてじゃ意味がないから」力強い声で高野さんは答える。

「子どもたちに本物を感じてほしかった。本物を知ったら、偽物が分かるようになります」

コスモアイル羽咋のレッドストーン・ロケットの前には、ニュートンのりんごの木がある。

「あれは本当に、ロンドン郊外のニュートンの生家にあったりんごの枝なんですよ。それを地元のりんご農家さんに接ぎ木してもらいました。子どもたちに『これが本当にニュートンのりんごだ』って薄く切って、食べてもらってます。ただ、酸っぱくて食べられたものじゃないけどね(笑)」

高野さんのご自宅に飾ってある無農薬で枯れたレモンやミニトマト

宇宙への夢を語る高野さんは、羽咋市の限界集落・神子原を独創的な発想で再生させたことでも知られている。大学生の時、恩師であるコールマン大佐にそうしたように、ローマ教皇宛てに手紙を書いて神子原の米をローマ教皇に献上することに成功し、「神子原米」としてブランド化。農家直営の直売所も設立した。2015年には、その取り組みが唐沢寿明主演のドラマ「ナポレオンの村」として映像化されている。

近年では、自然栽培農法の導入にも力を入れ、地域ブランドの更なる強化を目指す。

「“奇跡のりんご”の木村秋則さんの無農薬技術を、農協で教えられるようにしました。年間500人くらいが集まるんですよ。農薬、肥料、除草剤を使わない“本気”の農業を伝えています。人生一回きりなんだから、やりたいことをやる。失敗を恐れていたら何もできない。それより『成功したらどうしよう』と考えていたいんです」

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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