未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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本場アメリカで頂点を極めたホットな味! 世界一のキューバサンドを東京で食べる。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ、三村健二、竹田りな
未知の細道 No.295 |25 December 2025
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#7続々と現れる助っ人

キューバサンドでの独立と世界大会出場という怒涛の勢いのなか、さらにビッグサプライズが待っていた。「PAN」の開店に向けて駆け回っている頃、妻の妊娠が判明。長らく子どもを待ち望んでいた夫婦にとってまさにおめでたいニュースで、もろ手を挙げて喜んだ。

一点だけ、さてどうしたものか? と頭を悩ませたのは、妻が世界大会に同行できなくなったこと。「CUBAN SANDWICH FESTIVAL」は約90名の審査員にキューバサンドを食べてもらうだけでなく、一般のお客さんにも販売する仕組みになっており、お客さんの投票による賞も用意されている。仕入れ、大会参加、店頭での販売を船井さんひとりで対応するのはどう考えても難しい。

それでもひとりで乗り込むしかない……と覚悟を決めていたら、意外なところから救いの手が差し伸べられた。以前に「PAN」の近所にあるハンバーガー屋さんで知り合って仲良くなった友人から大会直前に連絡があり、「アメリカ出張が大会の時期に重なるから手伝うよ」と名乗り出てくれたのだ。さらに、世界大会に出場する船井さんに密着する取材が入ることになり、当日、その取材陣もサポートしてくれることになった。

「その友だちはわざわざ有休をとって、大会の3日前ぐらいにディズニーランドがあるオーランドまで飛行機で飛んで、そこから車で2時間かけてタンパまで来て、仕込みを手伝ってくれたんですよ。当日も彼は英語ができるからいろいろやってくれて、僕はキューバサンドを作ることに専念できました。取材チームも車を用意してくれたり、アテンドしてくれて、本当に助かりました」

大会当日、手伝ってくれた友人と取材チーム。(画像提供:PAN)

渡航費や現地で必要な費用をまかなうため、クラウドファンディングも実施。69人から41万2010円が寄せられた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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