
この大会では、使用するパンから具材まで指定されるトラディショナル部門と、創意工夫が許されるノントラディショナル部門がある。船井さんはどちらにもエントリーし、ノントラディショナル部門では蜂蜜を垂らして焼いたパンのなかに、オレンジピールやチェダーチーズを加えたものを出した。
初出場で、仰々しい表彰式がないことを知らなかった船井さん。大会終盤に入った頃、友人から「真樹さん、呼ばれてますよ」と言われて大会本部に駆けつけたら、ノントラディショナル部門での優勝を告げられた。
「いきなり優勝したと言われて、ビックリしましたよ! 日本だとあり得ないですよね。バンドがパンパカパーンッて演奏を始めて、穴を開けたパイナップルにお酒をたっぷり入れたものを渡されました(笑)」
優勝する自信はありましたか? と尋ねると、大きく頷いた。
「めちゃめちゃありましたね。アメリカ人との好みの違いかもしれないけど、本当においしいと思えるキューバサンドは少なかったんです。僕は絶対においしいと自信を持って参加したので、勝てると思っていました。それでも、やっぱり実際に優勝したらめちゃくちゃ嬉しかったですね」
帰国後は、世界大会優勝を積極的にアピール。さまざまなメディアに取り上げられ、強烈な追い風となる。
「大会前と比べたら、売り上げが4倍ぐらいになりました。ほんと人生変わりました」