
「PAN」開業前は、妻とふたりで朝から夜まで営業しようと考えていた。しかし、2024年8月に子どもが生まれたこと、想像以上にお客さんが増えたことで計画変更。多少変則的ながら、営業時間は金曜から月曜の9時~15時(※14時までの日もあるため、インスタグラムで要確認)にして、火曜から木曜は仕込みにあてることにした。
子どもを保育園に預けることができたため、妻と船井さんの母親の手を借りて3人で仕込み、営業日には妻とアルバイトと3人で店頭に立つ。このスケジュールを見て、気づくだろう。船井さん夫婦はいま、休日ゼロ。3日間かけて用意したキューバサンドを、4日間、昼間の営業だけで売り切っている。それだけのお客さんが来ているということだ。
「すぐ近くにホテルがあって、外国人の旅行者がたくさん泊っているんですよ。その人たちが朝食にキューバサンドを食べに来て、朝から席が埋まることもあります。外国人のお客さんからもすごく評判が良くて、アメイジング!って言われましたね」
お店の繁盛は嬉しい悲鳴ながら、あまりのハードスケジュールに身体も悲鳴を上げた。今年に入って十二指腸潰瘍を患い、倒れてしまったのだ。そこで最近は小学生時代からのスケボー仲間に手伝ってもらい、仕込みの時間をなるべく早く切り上げるようにしている。経営者としてはまだ、手探り状態。でも、大きな手ごたえを感じている。
「2023年に恵比寿でイベントに出展した時は、キューバサンドってなに? という反応だったんです。それが最近、日比谷公園のイベントに出たら、キューバサンドの店がうちともう1軒あって、どっちも大行列だったんです。お客さんも、『キューバサンド、楽しみにしてました!』という感じで、キューバサンドを知っている人が多くて。世界大会で優勝して、日本でキューバサンドを広めることに少しは貢献できたと思います」