この勢いを単なるブームにしないために、船井さんは2026年3月に開催される「CUBAN SANDWICH FESTIVAL」出場を目指す。今度はトラディショナル部門での優勝を狙う。
二度目の世界大会には、母親、妻、子どもに加えて、兄夫婦も同行する予定。家族旅行も兼ねて楽しみたいという思いもあるが、船井さんには大きな野望がある。
船井さんの兄は元プロボクサーで、世界ランキング1位までのぼり詰め、2019年5月にはアメリカでIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチに挑んだ船井龍一さん。惜しくもドクターストップで敗れて引退し、2023年より千葉県の柏市でカレー屋「ふなどら商店」を営む。
ボクシングと同じく、ストイックに味を追求しているのだろう。今年9月、カレー激戦区として知られる柏で開催された「カシワカレーグランプリ」で、グランプリを獲得。開店からわずか2年での快挙だ。
船井さんは子どもの頃からずっと兄を応援してきて、世界戦も現地で観戦し、悔し涙を流した。いま同じ料理人の道を歩む兄・龍一さんが現地でサポートしてくれる今回の世界大会は、船井さんにとって特別だ。兄弟で挑む世界大会に向けて、船井さんは「PAN」で出すトラディショナルキューバサンドの改良を進めている。秘策は、香り。
「こうして試行錯誤している過程が楽しいんですよね。兄貴と一緒にチャンピオンになれたら嬉しいです!」