未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
295

本場アメリカで頂点を極めたホットな味! 世界一のキューバサンドを東京で食べる。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ、三村健二、竹田りな
未知の細道 No.295 |25 December 2025
この記事をはじめから読む

#10二度目の世界大会へ

焼き立てで香ばしい蒲田のキューバサンド。(画像提供:竹田りな)

この勢いを単なるブームにしないために、船井さんは2026年3月に開催される「CUBAN SANDWICH FESTIVAL」出場を目指す。今度はトラディショナル部門での優勝を狙う。

二度目の世界大会には、母親、妻、子どもに加えて、兄夫婦も同行する予定。家族旅行も兼ねて楽しみたいという思いもあるが、船井さんには大きな野望がある。

船井さんの兄は元プロボクサーで、世界ランキング1位までのぼり詰め、2019年5月にはアメリカでIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチに挑んだ船井龍一さん。惜しくもドクターストップで敗れて引退し、2023年より千葉県の柏市でカレー屋「ふなどら商店」を営む。

ボクシングと同じく、ストイックに味を追求しているのだろう。今年9月、カレー激戦区として知られる柏で開催された「カシワカレーグランプリ」で、グランプリを獲得。開店からわずか2年での快挙だ。

船井さんは子どもの頃からずっと兄を応援してきて、世界戦も現地で観戦し、悔し涙を流した。いま同じ料理人の道を歩む兄・龍一さんが現地でサポートしてくれる今回の世界大会は、船井さんにとって特別だ。兄弟で挑む世界大会に向けて、船井さんは「PAN」で出すトラディショナルキューバサンドの改良を進めている。秘策は、香り。

「こうして試行錯誤している過程が楽しいんですよね。兄貴と一緒にチャンピオンになれたら嬉しいです!」

次の大会は兄弟で世界一を目指す。
このエントリーをはてなブックマークに追加

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。