未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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「鉱山電車」の記録と記憶をたどって 日立の見えない線路を歩く

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.298 |10 February 2026
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#10再び日立駅へ

帰りはバスに乗って、日立駅まで戻ることにした。まだ4時前だが、山の中は日が暮れるのが早い。鉱山のある山の向こうからやってくるバスを待っている間、あたりはすっかり薄暗くなり、冷え冷えした空気が漂った。

バスは今日一日かけて歩いた6キロの道のりを軽快に走り、20分足らずで駅へと辿り着いた。バスの中で、ジオネットメンバーの伊東和彦さんが「いやー、面白かったですねえ」と、笑顔を見せた。正木さんも嬉しそうだ。本当だ。今は全くない線路が、まるで見えるような、その上をひたすら歩いた、そんな一日だった。

日立駅から大煙突を望む

正木さんたちと別れ、日立駅をもう一度ぐるりと歩いてみた。このガラス張りの美しい駅舎からも、遠く大雄院の山中にある大煙突がはっきりと見えた。

振り返って反対側の、朝歩いてきたエスカルロードへと目をやる。戦前から今まで長い時間をかけて、交通と輸送の形、街の形をなんども変えながら、多くの物資と多くの人々が、ここ日立駅を起点に、街と山との間を行き交ってきたのだ。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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