未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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"日本一"のフライドポテトを生み出した男の爽やかな野望 北海道発のフライドポテトが世界にFly High

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.301 |25 March 2026
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#2ジャガイモを巡る旅

北海道の室蘭で生まれ、札幌で育った上野さん。子どもの頃から料理が好きだったそうで、調理師免許が取得できる高校に進学する。卒業後は、札幌パークホテルのレストラン調理部に就職。イタリアンレストランで2年ほど働き、料理の基礎を叩きこまれた。

その後、もっと広い世界を知りたい、料理の勉強もしたいと思い、イタリアやオーストラリア、アメリカなどを転々と旅した。帰国した際、知人に声をかけられて、居酒屋、カフェ、バーなどを幅広く飲食店を経営する会社に勤める。

10代から20代のこの時期、和洋中さまざまなカテゴリーの料理人と知り合ったことが、後々、重要なカギを握る。

30代に入り、「飲食の世界から少し離れて、違うマーケットを知りたい」と、いくつかの仕事を経て知人が経営するアパレルやアクセサリーを販売する会社に転職。そこで店舗開発などを手掛け、2022年に現在の会社「GlassyInc.」を立ち上げた。それから企業のマーケティング調査などを請け負うようになったが、「ほかの人のサポートばかりじゃなく、ひとつぐらい自分の事業もやりたい」と思い立つ。

「北海道で生まれ育ったので、北海道に特化した事業をしたいと思いました。それで、北海道で一番有名なもの、生産量も多くて世の中に知られているものってなんだろうと考えた時、ジャガイモが思い浮かんだんです。実家には段ボールでジャガイモがあって、小さい頃から大好きだったんで」

ジャガイモを使うならフライドポテトを作ろうと決めるのに、時間はかからなかった。家族でも、デートでも、商談中でも、食事時でも、間食でも、お酒のお供にも、テーブルにあったら誰もがつまみたくなるのがフライドポテトでニーズが広いと知っていたからだ。

上野さんが「熟成イモの匠」と称賛する波佐農場の波佐さん。(画像提供:上野さん)

ここから、ジャガイモを巡る旅が始まった。ジャガイモは世界に約2000種類あると言われ、日本でも30種類以上栽培されている。北海道でもジャガイモの生産量が多い帯広エリアの農家を紹介してもらい、「いま日本で食べられるジャガイモ、ほぼ食べたと思います」と振り返る。その際に出会ったのが、十勝で熟成イモを作っている波佐農場だ。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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