
大会史上初の2連覇の反響は、初優勝の時より大きかったという。誰もが名を知る大企業から声がかかり、新商品のプロモーションに合わせて日本全国でポップアップ出店することも決まった。1号店がある新札幌駅は特に観光名所もなく、普段利用する観光客は少ないが、日本一のフライドポテトを食べようと全国からお客さんが訪ねてくるそうだ。どこで噂を聞き付けたのか、海外からの旅行者もわざわざ新札幌まで食べに来るという。
「海外のお客さんは、本当に反応がいいんですよ。フランスの方からは、こんなフレンチフライは初めて食べた、世界一うまいと言われました」
飲食店からの要望もあり、フライドポテトの卸売りもスタート。オンラインショップも立ち上げ、スナック菓子も開発した。この勢いで全国展開を目指すのかと思ったら、上野さんはまったく別の方角を見ていた。
「みんなウソでしょ? って笑うかもしれないんですけど、ハワイとカリフォルニアに直営店を出したいんですよ」
え、いきなりの海外進出? なぜ?
「サーフィンがしたくて(笑)。もちろん、それだけじゃないんですけどね。僕、カリフォルニアとハワイに仕事で何回も行っていて、現地で日本の文化がリスペクトされていると感じたんです。ハワイはフードトラックが根付いていて、そのなかに日本一のフライドポテトがバーンと来たら、インパクトあると思うんですよ。カリフォルニアは食に対する意識が高い人が多いから、徹底的に素材にこだわった日本一のフライドポテトを持っていったら受け入れられるという確信があります」
フライドポテトに使うジャガイモも、フードトラックのデザインも、フライドポテトをデビューさせた町もそうだったように、「ありきたりじゃ、つまらない」と上野さんは笑う。目指すは、なぜか直営店が札幌とアメリカにあるという謎めいた存在。この計画を支えるのが、北海道の農家が腕によりをかけて作る熟成ジャガイモだ。
「本当にすごいポテンシャルがあります。世界に通じる味ですよ。北海道の熟成ジャガイモを使ったフライドポテトを世界に流通させていけたら、めちゃくちゃ面白いですよね」