未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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"日本一"のフライドポテトを生み出した男の爽やかな野望 北海道発のフライドポテトが世界にFly High

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.301 |25 March 2026
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#7塩味一本で臨んだ決勝大会

この大会は、2024年6月27日から30日の4日間、さいたまスーパーアリーナで開催された。日本一のハンバーガーを決める大会「JAPAN BURGER CHAMPIONSHIP 2024」と同時開催で、この4日間で約2万3000人が来場した大規模なイベントだ。

「Japan French Fries Championship 2024」には、大阪、京都、静岡、埼玉、愛知、そして北海道から「zzz365」の6店舗が参加。前述したように、来場者が食べ終わったフォークを気に入ったお店の投票箱にいれ、そのフォークの重さで優勝が決まる。上野さんは会場に来て、仰天した。

「ほかのお店のフライドポテトを見たら、マヨネーズだったりチーズだったりディップソースに凝っていて、ヤバい!と思いました。僕はディープソルトだけでしたから。味には自信がありましたけど、さすがにこんなにシンプルで大丈夫なのか不安になりましたね」

決勝大会で、塩味一本勝負。ほかの店舗からしたら、ずいぶんと大胆な作戦に感じただろう。しかし、ふたを開けてみれば1973.7グラムを獲得し、2位と21.1グラムの僅差ながら、初出場、初優勝を遂げた。開業からわずか1年3カ月の快挙である。

本人も驚いた初タイトル。(画像提供:上野さん)

「本当にびっくりしました。北海道の自然が生み出したジャガイモの甘みと、深海から採った海水で作る塩が合体することによってどういう味になるかを知ってほしかったので、ほかのフライドポテトにはない『リアル甘じょっぱい』が伝わって嬉しかったですね。周りも、すっごく喜んでくれて。最初に電話をくれたのは、ピルカを作っている波佐さんでした」

この優勝が強烈な追い風になり、同年9月には人気番組『マツコの知らない世界』で取り上げられ、翌月には東京・渋谷のランドマークともいえる「SHIBUYA109」にポップアップ出店。その様子がこれもまた人気番組の「王様のブランチ」で紹介されるなどして、一気に全国区になった。さらに、年が明けて2025年1月には、商業施設「Bivi新さっぽろ」に1号店をオープンする。

熟成ピルカの数には限りがあるため、さやか、レッドムーン、きたあかりなど別の品種の熟成ジャガイモを仕入れる手はずも整えた。

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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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