取材を終えた後、僕はもう一度、ヒスイ海岸に向かった。これからヒスイ採取に行く人には、最初にフォッサマグナミュージアムに立ち寄ることをお勧めする。多様なヒスイを間近に見ておくと、どんな石がヒスイなのか、イメージがつかみやすいのだ。
さらに、レジェンドとヒスイの専門家からアドバイスを活かせばきっと! と鼻息荒く採取した石は、どれも違った。その日も海岸にはヒスイ狙いの人たちがたくさんいて、たまたま話しかけたヒスイハンターが、別の人から「先生」と呼ばれていた。先生に僕の石を見せたら「違いますね」とまた瞬殺! くぅーーー。


「ヒスイはいろいろな色があるけど、まずは白い石を探すこと。それが基本です。白い石に緑やほかの色が混ざっていて、つやつやしていたらヒスイかもしれない。運がよければ、小指の先ぐらいの大きさでも数万円の値段がつくかもしれないよ」
ヒスイ海岸の近所に住んでいるという先生は、ほぼ毎日、夫婦で海に来ているそうで、ヒスイのほかにもメノウ、薬石(やくせき/今から約5000万年前の火山活動で噴出した溶岩や火山灰が固まったもの)などの石を採取していた。
先生は気前のいい人で、「これ、持っていきな」とメノウと薬石をくれた。その石を眺めながら、小河原さんが取材の最後に言っていた言葉を思い出した。
「『石のまち』に来てくれた方には、ヒスイかヒスイじゃないか、お金になるかならないかだけじゃなくて、ヒスイ以外の石にもいろいろなストーリーがあると知ってほしいですね。地球っていろいろな石でできていて面白いんだなって思ってもらえたら嬉しいです」
1泊2日の糸魚川滞在で、これまで47年間の人生で耳にしたよりもたくさんの石の名前を聞き、実際に触れた。これからは、道端の石を見る目も変わりそうだ。ギラリッ。