「ラピスラズリも、ヒスイ発見の経緯とそっくり」と話す小河原さん。なんでも、糸魚川市内で石の採取を趣味にしていた人が亡くなり、遺族がヒスイなどを扱う小滝物産店にまとめて引き取ってもらった際、そのなかに青い石が入っていたが、お店の人は青い石「デュモルティ石」のひとつだろうと考えていたという。
後日、小滝物産店が「ミネラルフェア」(鉱石の展示、販売会)に出展した際、その青い石も持参した。たまたまそのブースに通りがかったのが、国立科学博物館の名誉研究員、松原聰さん。松原さんは「今まで糸魚川で見つかっていた青い石と違うのでは?」と気づき、その石を預かって成分を分析した。すると、海外のものとは違う成分を持つ糸魚川オリジナルのラピスラズリだとわかった。
「私を含めて鉱物を研究してる人で、ラピスラズリが日本で見つかるなんて思っている人は誰もいなかったと思うんですよね。 本当にゼロだと思います。しかも、我々の発見ってだいたい顕微鏡で見えるか見えないくらいのことが多いのに、すごく大きいんですよ。だから発見のニュースを聞いて、本当にびっくりしました。私は松原先生も小滝物産店の方もよく知っているので、連絡してうちで展示させてくださいとお願いしたんです」
糸魚川産ラピスラズリは、フォッサマグナミュージアムの入り口に展示されている(8月30日まで。9月以降は、9月19日開始の特別展会場での展示を12月末まで予定)。白っぽい部分に薄い青が混ざり合っていて、宇宙から写した地球の写真を思い出した。
これが川辺や海岸に転がっていても、素人の僕は宝石だと気づくことなく通り過ぎるだろう。拾った人は目利きだったに違いない。