校庭に出て、そりの扱い、そりに乗ってからのスタート、ストップの手順、声のかけ方、転び方などをイチから教えてもらう。ひとり1台のそりに乗るから、スタート、ストップの手順は特に重要だ。
進むときは「ハイク!」、止まるときは「ウォーウォーッ!」と犬に声をかける。スタッフさんの「小さい声で話しかけても、犬たちは動きません。人間がリーダーシップをとって、犬にしっかり伝わるように、お腹から声を出してください」という指示を受けて、参加者5人、気を引き締める。
2組に分かれ、そりを引っ張る犬役とマッシャー役になって、ひと通り練習。ちゃんと犬とコミュニケーションを取り、息を合わせないと、うまくそりに乗れず置き去りにされたり、引きずられてしまう可能性もある。「ひとり1台のそりに乗る」から他人任せにできないし、「往復20キロ」のコースを途中離脱するのも難しいという意識があるから、みんな、ニコニコしながらも真剣だ。「どうせやるなら本格的に」と思っていた僕にって、この「遊びじゃない」雰囲気がよかった。
ひと通りのレクチャーを受けた後は、校舎の裏側につながれている犬たちとご対面。僕らが姿を現すと、大勢の犬たちがブンブンとしっぽを振り、飛び跳ねるようにして、歓迎してくれた。総数、なんと45匹! これだけの犬を目にするのは、初めてだ。
しかも、みんな大柄で凛々しいハスキー犬。女性陣もみんな犬好きのようで、それぞれから「かわいい!」「いい子だねー!」と黄色い声が上がる。僕も手あたり次第に頭をなで、「よーしよしよしっ」と声をかけた。ああ、至福。