————あえて投げ銭にしたのは、どうしてですか?
「最初は一食300円にしようっていう話もあったんだけど、誰かに投げ銭にしてみたらって言われてそれもいいなって。みんなで、わあわあ言い合っている間に、気がついたらいつの間にかそうなってたのよね」
————お金を入れずに帰る人はいませんか?
「うん、いるでしょうね。でも、代わりにたくさん入れていく人もいるし。本当は誰もがみんな気持ちよく入れて帰りたいかもしれないけど、事情が許さないかもしれないし。いくら入れるとかは、もうどうでもいいかな! ある人が入れればいんじゃね?って思います」
————とはいえ、ドレッシングとかお肉とか買わなければならないものもありますよね。その経費は賄えるんですか?
「えーと、計算したことがないから、どうだろう!ハハハ……。もちろん食材を買うのに自腹切るときもあるけど。別にそうやって続けられるんなら、別にいいんじゃね? みたいな」
————ボランティアだけで成り立っているって驚きなんですが……。
「たぶんここには儲けてやろうという人は一人もいないんです。みんな別の仕事があって、『いつだれ』でメシを食ってる人はいない。ただ、楽しいから来てるだけですね」
————無給でもみんなが手伝いたくなる、その秘訣はなんでしょうか。
「そうねー、そこにいる人間同士がぎくしゃくしない空気を生み出すことかな。いいことしてやろうとか、損得勘定とか、余計なことを考えない空気。そういうゆるやかな空気を作れれば全てオッケーじゃないかな」
なんかもう、おおらかな笑顔に吸い込まれそうになってしまった。
というわけで運営の秘密は「空気」。
みなさーん、聞こえてますか……大切なのは空気ですよ、空気!

