
北海道道東
3年前の夏、北海道の道東をキャンピングカーで旅した。どこに行き、何を食べ、どこで眠るのも自由きままなクルマの旅。ワイルドな大自然や動物たちと出会いながら、知床半島を目指した家族の6日間。
キャンピングカーで北海道を旅しよう。広い大地をクルマで進み、草原で眠り、青空の下で朝食を食べよう。
そう想像した途端、ワクワクするような、緊張するような独特の高揚感が胸に広がった。この感じ、ずいぶん久しぶりだなあ!
ついに「旅」に出るんだと思った。
もともと私たち夫婦はとても旅が好きだった。
出会ってすぐに一緒にバルカン半島に出発したくらいで、結婚後もヨーロッパやアフリカなど、世界のいろんなところをふらふらしてきた。
しかし、5年前にそんなふらふら旅人ライフも激変。
赤ちゃんが生まれたのである。いやあ、赤ちゃん連れで移動するのはなかなかハードで、いわゆる「自由きままな旅」はけっこう難しくなった。
しかし、時は満ちた。娘はもう2歳9ヶ月だ。
「そうだよ、そろそろ“旅”に連れていっても大丈夫だよね」
私たちは顔を見合わせ、計画したのが「道東、キャンピングカーの旅」だった。
「夏の北海道なんて気持ちよくて最高だろうなあ」
「動物もたくさんみられるよ、きっと」
娘のナナオも嬉しそうに「どうぶつ、みたい!」ときゃっきゃっと笑った。
旅の日程は約一週間。
「せっかくなら、旭川から知床半島を目指そうよ。世界遺産を見ておこう」と決まる。最初の2日間だけ友人も合流することになり、楽しい展開になってきた。
2017年の8月末のことである。