未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
295

東京都大田区

2024年5月、アメリカで開催されたキューバサンド世界大会で優勝した船井真樹さん。
その味が知りたくて、東京・大田区の蒲田にあるキューバサンド専門店「PAN」を訪ねた。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ、三村健二、竹田りな
未知の細道 No.295 |25 December 2025
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#1「蒲田のキューバサンド」で世界の頂点に

世界一に輝いた蒲田のキューバサンド。(画像提供:三村健二)

キューバサンドを、ご存じだろうか?

アメリカに住むキューバからの移民が広めたとされる、サンドウィッチだ。キューバンブレッドと呼ばれる細長いバゲット風のパンを水平にカットし、ホロホロになるまで長時間低温加熱したプルドポークとチーズ、ハム、ピクルスなどを挟んで食べる。

世界一のキューバサンドを、日本で食べられることをご存じだろうか?

  • キューバサンドについて熱く語る船井真樹さん。
  • 「CUBAN SANDWICH FESTIVAL」優勝の盾。

2024年5月、フロリダのタンパで開催されたキューバサンドの世界大会「CUBAN SANDWICH FESTIVAL」のノントラディショナル部門で、初出場にして頂点に立ったのが、船井真樹さん。東京・大田区の蒲田にあるキューバサンド専門店「PAN」のオーナーだ。

船井さんが大会に出品したのは、「蒲田のキューバサンド」。具材はプルドポーク、2種類のロースハム、スイスチーズ、チェダーチーズ、粒マスタード、オレンジピール、ピクルス、マヨネーズ。パンをプレスする時、表面に蜂蜜を垂らすのが船井流だ。

パンにたっぷりと蜂蜜を垂らす。(画像提供:三村健二)

この蜂蜜が抜群に利いている。プレスされてカリっと焼けたパンにかぶりついた時、口のなかに拡がる爽やかな甘みが、ほかの具材の酸味、辛み、旨みを柔らかに包み込み、どちらかと言えばワイルドな風味のキューバサンドを華やかに仕立て上げているのだ。これが、「地元のおじいさん、おばあさんも買いにくる」という人気の秘密だろう。

船井さんは2026年3月に開催される同大会に出場し、今度はトラディショナル部門で優勝を目指すという。そこには熱い思いも秘められている。

キューバサンドに懸ける男のホットな物語――。

蒲田のキューバサンドとトラディショナルキューバサンドの違い。
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。