未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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食堂店主の一言から始まった妖怪たちの「雪乞い」 猪苗代「雪女まつり」がつなぐ人と町の物語

文= 奥村サヤ
写真= 奥村サヤ
未知の細道 No.297 |26 January 2026
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#9雪女見習いは、こけし職人

そのうちのひとり、平木梨里香さんに話を聞くと、 まるで、こけしに導かれて来た雪女だった。

神奈川県出身の平木さんは、小学生の頃から筋金入りの「こけし好き」。はじめて手に取った津軽こけしをきっかけに、こけしの世界に深く引き込まれていった。

中学生になると、家族に頼み込み、三大こけしの発祥地のひとつである福島県の土湯温泉を訪れた。そこで出会った一体のこけしを、どうしても諦めきれず、お年玉で1万5千円ほどをはたいて買ったという。

中ノ沢温泉周辺で作られる中ノ沢こけしは、目の周りが赤いユニークな表情が特徴。「たこ坊主」の愛称で親しまれている

その様子をたまたま見ていた男性が、声をかけてきた。後になって知ったが、ふくしまこけし談話会の会長・丹治道孝さんだった。

それから約10年。丹治さんと文通を通じて近況を伝え合いながら、「将来はこけし職人になりたい」という思いを伝え続けてきた。

職人として生計を立てるまでの現実も見据え、 「高齢化が進む温泉街なら、必要とされるだろう」と鍼灸師の資格を取得。資金を貯めたのち、丹治さんの紹介で、木地師たちの住む集落があるこの町へ移住をした。 現在は、地域おこし協力隊として中ノ沢こけしの継承に携わり、職人のもとで腕を磨いている。

今回は、小西食堂の西村さんの誘いで、雪女見習いとして参加することになったそう。ご縁とは不思議なものだ。「こけしも、もしかしたら妖怪なのかもしれませんね」と彼女と話していると、雪女行列の時間が近づいてきた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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