未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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食堂店主の一言から始まった妖怪たちの「雪乞い」 猪苗代「雪女まつり」がつなぐ人と町の物語

文= 奥村サヤ
写真= 奥村サヤ
未知の細道 No.297 |26 January 2026
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#2雪女さん、呼べませんか?

そのはじまりは、7年前に遡る。

記録的な暖冬に見舞われた2018年、猪苗代町・中ノ沢温泉街にある「小西食堂」の店主・西村和貴さんは、深刻な雪不足に悩まされていた。

安達太良山の麓に位置し、旅館や土産店が軒を連ねる昭和レトロな温泉街。近くには沼尻スキー場があり、冬になると国内外から訪れるスキー客を中心に、地域経済が回ってきた。

雪が降らないことは、この町にとって死活問題なのだ。

なんとかできないものかと考えた西村さんは、ひとりの男に冗談まじりでこう投げかけた。

「雪女さん、呼べませんかねえ?」

連絡を受けたのは、会津若松出身で「妖怪屋」を営む相田一成さんだ。西村さんとは同じ高校の出身で、数年前にSNSを通じて知り合った。西田さんのアイデアを聞き、相田さんが試しに X(旧Twitter)で雪女を募ってみると、全国から3人もの雪女が名乗りをあげたという。

こうして、2018年の大晦日。中ノ沢温泉で初めて豊雪を祈る儀式が行われた。

ちなみに、雪女とは雪女に扮した一般の参加者だ。それぞれが思い描く雪女の姿に化け、この祈りに加わった。その祈りが届いたのか、数日後、温泉街に雪が舞った。

この出来事をきっかけに、「雪女まつり」は毎年中ノ沢温泉で受け継がれてきた。2024年からは、新たに「リステル猪苗代」も会場に加わり、少しずつ広がりを見せている。

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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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