
神奈川県逗子市
世界一小さな科学館を掲げる「理科ハウス」は、神奈川県逗子市にある私設科学館だ。館長の森裕美子さんと学芸員の山浦安曇さんが、来館者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの展示と解説で、科学の面白さを伝えている。
最寄りのICから【E16】横浜横須賀道路「逗子IC」を下車
最寄りのICから【E16】横浜横須賀道路「逗子IC」を下車
京浜急行・神武寺駅から徒歩6分ほどの理科ハウスに到着すると、玄関前で人体模型がお出迎え。隣には、ダチョウの卵や大きな松ぼっくりなどが並んでいる。一見ふつうの住宅のようだが、ただの家ではないことがわかる。
「ほかにはなにがあるんだろう?」扉を開け、なかに進むと、壁一面の本棚に囲まれた空間が広がった。迎えてくれたのは、館長の森裕美子さんと学芸員の山浦安曇さんだ。
室内には、壁や天井、扉など、あらゆるものを利用して展示が並ぶ。階段の手すりには、DNAの二重らせん構造。ビーズを使って手作りしたもので、透明な筒の中に緑色の2本の鎖がらせん状にねじれ、その間をカラフルな塩基対がつないでいる。
「DNAって、ものすごく細長いんです。細長いなら手すりにしようと思って作りました」と森さん。
手すりを目で追いながら階段を登ると、両サイドには絵馬のような形をしたメモがいくつもぶら下がっている。書かれているのは、ここを訪れた人たちの疑問だ。疑問をぶら下げておくと、いつの間にか裏に回答が寄せられるシステムになっている。
「AIではなく生の人間がやっています」と学芸員の山浦さん。
山浦さんや森さんが回答するのか聞いてみると、そうとも限らないようだ。答えるのが好きな大人たちの手により、さまざまな回答が寄せられるという。
「ぶら下げられた疑問から、その分野を深めて展示に反映したり、研究者を呼んだりすることもあります。私たちもヒントをいただいているんです」
疑問は自分のなかに留めておくのではなく、外に出してこそ広がる。言葉にすること自体が、とても大事な行為だと山浦さんは語る。