未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
304

住宅地に突然現れるアメリカンなドーナツ店 1日4000個が売れるまでの、父と息子の物語

文= 竹田りな
写真= 竹田りな
未知の細道 No.304 |11 May 2026
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#21950年代のアメリカにタイムスリップ

お店の近くまで来ると、カラフルな看板と建物が目に飛び込んできた。

遠くからでもよく目立つアメリカンな看板。

洋画で見たアメリカのドライブインのような背の高い看板に、巨大ドーナツのオブジェ。ピンク色の建物には、「HAPPY DONUT」という文字や、これまたアメリカンな看板や装飾が施してある。一瞬にして、異国に来たような気持ちになる。

入口からずらっと行列になっていた。

到着したのは9時半少し前。まだオープンまで30分以上あるにもかかわらず、20人近くが列を作っていた。お店に近づくと、ふわっと甘い香りが漂っている。

「今日は列ができるのが早いね」

事前に許可を得て店内の写真を撮っていると、店員さんたちの声が耳に入る。聞くと、春休み期間に入ってから普段の平日よりは混んでいたものの、ここまでではなかったらしい。

店内もアメリカン。レジ横のモニターでドーナツを揚げている様子が見られる。

一通り店内を撮影させてもらい、オープンの10時前に外に出た。すると、さらに行列は伸び60人近くが並んでいた。恐るべし……! と思いつつ、写真に収めたドーナツを食べることを楽しみに最後尾に並ぶ。そこから私の後にも続々と列が伸びていく。

春休みということもあってか子ども連れも多い。ほかにも、仕事の作業着姿の人やペットを連れた人、10人近いグループもいた。

子どもたちはドーナツの巨大オブジェや遊具で遊んだり、アメリカンなイラストを背景に写真を撮影したりしている。待ち時間も楽しめるように工夫がされていた。

看板の上にくっつけられた戦隊もののフィギュアに「なにこれ~?」と子どもがツッコむ声が聞こえた。たしかに、よく見ると手作り感満載のアメリカンな装飾には統一感があるような、ないような……? 一つひとつ見ていると、あっという間に列は進み、並んでからおよそ35分後、店内に入る順番がやってきた。

WELCOMEの看板の左上が、子どもが気になっていたフィギュア。
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
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