未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
304

住宅地に突然現れるアメリカンなドーナツ店 1日4000個が売れるまでの、父と息子の物語

文= 竹田りな
写真= 竹田りな
未知の細道 No.304 |11 May 2026
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#4初めてのアメリカに魅せられて

店主の加藤利明さん。

店主の加藤利明さんは、1949年、茂原生まれの76歳。もともと飲食業に興味があったわけではなく、一般企業の会社員として関西で就職した。ドーナツとの出会いは、たまたま、だった。

「当時勤めていた会社で、新規事業としてドーナツ店を立ち上げることになって。そのチームのメンバーに選ばれて、アメリカでドーナツ作りの修行をすることになったんです」

アメリカでは、見るものすべてに驚いたという。

「僕は戦後すぐの生まれで、当時の日本は貧乏も貧乏ですよ。地面なんてもちろん土だからね。それが急に仕事でアメリカに行くことになって。アメリカに着いて空港を出たら、こんなに広いアスファルトの道路に、グリーンや赤、ピンクのネオンが輝いていて、もう別世界。ここから学ぶことがいっぱいあるなって思いましたね」

初めて降り立った瞬間からすっかりアメリカに魅了され、アメリカが大好きになった。アメリカ生活ではドーナツの作り方以外にも、マナーやファッションなど、アメリカ的な考え方も学んだ。

日本に帰ってきた後は、一号店のオープンメンバーとして、ドーナツの製造を担当した。お店は話題を集め、順調に売り上げを伸ばしていった。その一方で、利明さんは関西の文化に馴染めず、どこか居心地の悪さを感じる日々が続いたという。悩んだ末、親や兄弟がいる故郷の茂原に戻ってドーナツ店を開こうと決意する。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
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