未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
ver307

アップルラインでみつけた再生の風景 りんご畑で“手ぶらピクニック”はいかが?

文= 座光寺るい
写真= 座光寺るい
未知の細道 No.307 |25 June 2026
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#7手ぶらで農園ピクニックの贅沢

お話を聞き終わり、私もオーダーしていたサンドイッチを受け取ることにした。

……とその前に、カフェに入った子どもたちは、カウンターの前で存在感を放つ「りんごの木」に目が釘付けだ。本物だというりんごの木の先からは蛇口が飛び出ている。もちろん速攻でりんごジュースを頼み、順番に「蛇口からりんごジュース」を体験した。

本物のりんごの木からにょきっと生えた蛇口から、りんごジュースを注ぐ

1杯200円のSサイズでも、相当たっぷりと注ぐことができる。ああ、今これを書きながら、また飲み干したくなってしまった。目が覚めるような爽やかな甘さに、子どもたちは喉を鳴らす。7歳の甥っ子は、「どうなってるんだ?」と蛇口の上の方をキョロキョロしていた。

ただ、「蛇口からりんごジュース」は既に星野リゾート軽井沢で導入されていて、「残念ながら長野県初ではなかったんですよ」と徳永さんは悔しそうだ。それでも、本物のりんごの木からりんごジュースが出てくる演出は大人でもワクワクする。ジュースのりんご品種は「フジ」で、その濃厚な甘さに、3歳の甥っ子は心底驚いた表情をしていた。

さて、事前に予約していたピクニックメニューは、サンドイッチに、サラダと冷凍フルーツ、飲み物のセットで、大人はひとり1800円。そのほかに、その場で好きなものをオーダーすることも可能だ。レジャーシートと敷布、ゴミ袋が入ったピクニック用のバッグも無料で借りることができた。サンドイッチセットをかごにいれてもらい、いざ、農園へ。

フードとカトラリーはかわいらしいカゴバッグに入れて渡してくれる
レジャーシートと敷布、ゴミ袋が入ったピクニック用のバッグを無料で貸し出してくれた

果物の収穫時期でなくてもピクニックは可能なのだが、やはりりんご狩りと合わせて9月から11月に訪れる人がほとんどだ。取材で訪れた5月は、畑を独り占めできた。この時期のピクニックは、もしかしたら狙い目なのかも知れない。

子どもたちが既に「ここ!」とリンゴの木の下を陣取っているので、そこに借りてきたレジャーシートを敷く。日差しは強いけれど、木陰に入ると、風が心地よい。

サンドイッチやサラダをひろげて、いっただっきま~す!

さあ! あまじょっぱいタレが食欲をそそるチキンサンドと、しっかりと燻製の香りがするソーセージサンドに、りんごの木の下でかぶりつく。この日「新作なので」と加えてくれたエビカツサンドは、エビがこれでもか! と贅沢に入ってプリプリだ。ビンにたっぷり入って提供されるサラダは、ビタミンカラーが楽しい。冷凍フルーツは贅沢にもシャインマスカットだ。シャリシャリの食感と、キーンと冷えた甘さが体に染み渡って、脳がゆるんだ。

ああ、気持ちいいなあ。徳永さんは、こんな景色を眺めながらごはんを食べ、農園の復興に向けて歩みを進めていたのかな。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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