
1959年、北海道の網走で生まれ、2歳から札幌で育った山賀さんは、スーパーでの勤務を経て27歳の時、精肉卸の山賀畜産を立ち上げた。それから5年ほど経ち、社名はそのままに事業内容をイベント企画、運営、飲食販売にガラリと変える。
「お祭りで屋台をやっている方たちに肉を卸していたんですけどね、話を聞くと彼らは非常に利益が大きいんですよ。それで、自分も企画、運営、販売をする側になろうと」
それから少しずつ実績を積み、2004年、さっぽろ雪まつりで札幌グランドホテルと組んで大通公園の西6丁目に出店。それを機に飲食店を組んで、札幌花フェスタ、YOSAKOIソーラン祭り、札幌ホワイトイルミネーションなど大規模イベントに携わるようになった。
「皆さんが名前を知っているようなイベントは、ほぼ関わっています。最近はキッチンカーがブームなので、120台ほどのキッチンカーと組んで、市内全域に派遣しています」
山賀さんは大通公園の西3丁目にあるカフェテラスも運営しており、それが縁で2018年、とうきびワゴンの販売権に入札した。西3丁目といえば、以前からとうきびワゴンが営業していた場所。きっと、はたから見ていて売り上げが低迷していることを肌で感じていただろう。なぜ、火中の栗を拾うように引き継ぐことにしたのだろうか?
「ずっと前からイベントで商売をして、人より多く売るためにはなにをどうしなきゃいけないのかを考えるのが仕事ですから。とうきびワゴンは札幌名物として人気があるし、アプローチを変えれば売れるようになると思っていました。観光協会にマニュアルはあるんですかと聞いたら、『なにもない。ここで売るのは北海道のとうきびで、それ以外は自由』と言われたので、やりやすかったですね」
ここから、プロの仕掛けが始まる。