
宮城県仙台市
仙台駅から一番近い古書店「古本あらえみし」。一見すると住宅のような不思議な古本屋、実はその2階は出版社「荒蝦夷」。代表取締役の土方正志さんは編集者として数々の本を世に生み出し、さらに作家、エッセイストでもある。古本あらえみしが扱うのは、東北ゆかりの作家から、仙台・宮城関連の本、民俗学、歴史学、SF文学、幻想文学、そして珍しい写真集から浮世絵まで……、自社の新刊ももちろんあり、充実すぎる品揃だ。本を編み、本を書き、新刊本も古本も売る……、本にまつわる全てのことを知る土方さんが仙台に開いた古本屋とは。
最寄りのICから【E4】東北自動車道「仙台宮城IC」を下車
最寄りのICから【E4】東北自動車道「仙台宮城IC」を下車
4年ぶりの杜の都、仙台。震災で大きなダメージを受けた仙台だが、復興による開発で、駅前は以前より賑やかに大きな街になったな、と感じる。
そんな仙台東口から歩いて数分。震災前と変わらない昔ながらの住宅街のなかに、その古本屋はひっそりとある。というか、見た目はほぼ住宅である。インターホンを押して、ガラガラと玄関を開けると、そこにはたくさんの本が所狭しと積み重なっている。
仙台駅から一番近い古本屋「あらえみし」である。
玄関先で「こんにちは」と声をかけると、編集者の千葉由香さんと、代表の土方正志さんが、どうもどうもと待っていてくれた。古本屋に編集者とは? 皆さん思うかもしれない。そう、ここは古本「あらえみし」だけではなく、出版社「荒蝦夷」でもあるのだ。
私の目を引いたのは写真集と写真関連の書籍。特にフォトジャーナリズム中心に写真集や写真論がいっぱい置いてあった。おお! 1960年代の希少な写真集もあるではないか! フォトグラファーである私にとっては、まさに垂涎ものの品揃えだ。そのほかにもSF小説や幻想小説とかかれたコーナーもあった。