
コパルの外観は、田んぼに浮かぶ宇宙船のようだ。山か、雲か、曲線だらけのフォルムが面白い。
日曜日の午前9時半。オープン直後にもかかわらず、館内は賑わい始めていた。受付をぐるりと右手に周り、娘が来たがっていた大型遊戯場へと足を踏み入れる。
うわ、なんだここ!
まるで、近所の裏山をそのまま屋内に持ち込んだような、起伏のある空間。子どもたちがロープを掴み、ボルダリングの突起を蹴って、思い思いに丘を登る。「よし、一気に行くぞ!」と助走をつけて駆け上がる子、ゆっくり着実に進む子。頂上は、そのまま滑り台になる。登るか、滑るか、別の道を探すか。ここに「正しい遊び方」はない。すべては、子ども次第だ。
「お母さん、競争!」
娘の声に背中を押され、荷物を置いて坂に向かう。ロープか、ボルダリングか。選択肢があるだけで、もう楽しい。登っては滑り、また登る。その自由さが、幼い頃、川の土手をそりで滑り降りた記憶を呼び覚ます。
ふと見渡せば、さっきまで眺めていただけの大人たちも、いつの間にか裸足になって遊びに加わっていた。


コパルの「コ」は子ども・個々、「パル」は友だち(英語でpal)、公園(イタリア語でparco)。その名の通り、ここは屋内にいるのに、外にいるような心地よさをくれる不思議な公園だ。
遊びながら、私はこの場所の成り立ちが気になっていた。この場所は、どうやって生まれたのだろう。
その答えはきっと、館長の色部さんの歩んできた道のりのなかにある。この温かな空気は、きっと彼自身の人生から生まれているに違いない。