
福島県耶麻郡
福島県猪苗代町には日本各地から集まった雪女たちが、豊雪を願う祭りがある。その名も「雪女まつり」。一体、どんな祭りなのか。背筋が凍るような光景を想像して訪れてみると、雪を願う夜は思っていたよりもずっと温かかった。
最寄りのICから【E49】磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC」を下車
最寄りのICから【E49】磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC」を下車
ゴォォォ~~~~~~~~!!!!
激しい炎が夜空へと舞い上がる。
キンと冷えた空気に火の粉がはじけ、ぱちぱちと音を立てながら、吸い込まれるように夜空へ消えていった。
クリスマスを間近に控えた12月21日、私は「雪女まつり」に来ていた。
炎を囲むように円になった雪女たちが、鳴り響く太鼓と雪への祈りを込めた雪歌に合わせて空をあおぐ。見物客のなかには子どもも多いが、誰ひとり声を出す者はいない。雪女たちの一挙手一投足を、みな固唾をのんで見守っていた。
雪女まつりは、日本各地から集まった雪女たちが豊雪を祈願する祭りだ。
会場は、福島県猪苗代町にあるスキー場「リステル猪苗代」。本来ならスキー場のオープン日。雪を待ちわびたスキー客でにぎわい、シーズンはじまりの高揚感に包まれる日になる……はずだった。
けれど、会場に雪はない。
この日は、日本列島の広い範囲で記録的な高温を観測。普段なら0℃を下回るこの時期に、昼間の最高気温は14.6℃!雪国へ行くために気合いを入れて何枚も重ね着をしてきた私は、汗だくで何度も「半袖になりたい……」と思ったほどだ。
年々、暖冬傾向が強まっている。雪が降らなければ、スキー場には人が来ない。冬の観光に関わる人たちにとって「雪よ、降ってくれ」という願いは切実なのだ。
人々は遥か昔から、願いを祈りというかたちで神仏や自然に捧げてきた。雪女まつりもまた、どうしても雪を降らせたいひとりの男の願いから始まったという。