
擬岩の巣は9月頃に撤去され、その後は思い思いの場所で過ごす。意外だったのは、冬の暮らし。うみがたりがある上越市は豪雪地帯で、屋外にある展示エリアにも当然のように雪が積もる。それもちょっとどころではなく、時には2メートルに達するという。
「そうなると、私たちはいち早くもとの状態に戻すために朝から夕方まで1日雪かきです。その間、ペンギンが雪の上に乗って脱走すると困るので、プールに入ってもらいます。南米の野生の環境では雪が降らないので、雪が降ると驚いてますね」
前述した、ペンギンの展示エリアにある解説に「真冬を除けば平均気温が上越市と近く~」とあったけど、そういうことか!
雪が降るなかでプール……人間の感覚だと想像するだけで凍えてしまいそうだ。でも、プールの水が凍結していないということは0度以上あるわけだから、雪の上でじっとしているより暖かいのかもしれない。
「プールにずっといて大丈夫なんですか? と聞かれることもあるんですけど、野生のペンギンが陸に上がるのは繁殖の時だけなんです。基本的に海で暮らす生きもので、繁殖を終えた後、半年間くらいは海を回遊しているので、なんの問題もありません」