未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
285

北海道札幌市

「札幌名物」「札幌の風物詩」と呼ばれる、とうきびワゴン。
一時は廃止の危機に瀕しながら、現在は1日に最大約3000本も売れる人気ぶり。
とうきびワゴンはどう生まれ、どう営まれて、いまがあるのか?
その秘密に迫る。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.285 |25 July 2025
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
北海道札幌市

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#1石川啄木も詠んだ風景

大通3丁目の公園内にある石川啄木の銅像と歌碑。

「しんとして 幅廣(ひろ)き街の 秋の夜の 玉蜀黍(とうもろこし)の焼くるにほひよ」
これは、歌人の石川啄木が1907年に詠んだ歌である。幅廣き街とは札幌の大通公園を指し、焼いたとうもろこしの匂いを短歌にした。

長さ約1.5キロに及ぶ大通公園。

大通公園は街の中心に位置し、大通西1丁目から大通西12丁目まで長さ約1.5キロ、面積約7.8ヘクタールにわたる広大な公園だ。全国的に有名な「さっぽろ雪まつり」の会場として知られるほか、春の「ライラックまつり」、「さっぽろ大通ビアガーデン」、「YOSAKOIソーラン祭り」など、1年を通して札幌を代表するイベントが開催されている。

とうきびワゴンは普段、3丁目と4丁目にある。

石川啄木の歌碑が置かれているのは、大通3丁目の噴水があるあたり。そのすぐ近くに、「とうきびワゴン」がある。とうもろこしは、北海道では「とうきび」。とうきびワゴンは、焼いたとうきびと茹でたとうきびを販売する、見た目も商売もシンプルな屋台だ。

しかし! 1日に最大およそ3000本が売れるというからビックリ! なぜそんなに売れるのか? 長らく「札幌名物」と呼ばれてきたとうきびワゴンの謎に迫る。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。