
北海道札幌市
「札幌名物」「札幌の風物詩」と呼ばれる、とうきびワゴン。
一時は廃止の危機に瀕しながら、現在は1日に最大約3000本も売れる人気ぶり。
とうきびワゴンはどう生まれ、どう営まれて、いまがあるのか?
その秘密に迫る。
最寄りのICから【E5】道央自動車道「北郷IC」を下車
最寄りのICから【E5】道央自動車道「北郷IC」を下車
「しんとして 幅廣(ひろ)き街の 秋の夜の 玉蜀黍(とうもろこし)の焼くるにほひよ」
これは、歌人の石川啄木が1907年に詠んだ歌である。幅廣き街とは札幌の大通公園を指し、焼いたとうもろこしの匂いを短歌にした。
大通公園は街の中心に位置し、大通西1丁目から大通西12丁目まで長さ約1.5キロ、面積約7.8ヘクタールにわたる広大な公園だ。全国的に有名な「さっぽろ雪まつり」の会場として知られるほか、春の「ライラックまつり」、「さっぽろ大通ビアガーデン」、「YOSAKOIソーラン祭り」など、1年を通して札幌を代表するイベントが開催されている。
石川啄木の歌碑が置かれているのは、大通3丁目の噴水があるあたり。そのすぐ近くに、「とうきびワゴン」がある。とうもろこしは、北海道では「とうきび」。とうきびワゴンは、焼いたとうきびと茹でたとうきびを販売する、見た目も商売もシンプルな屋台だ。
しかし! 1日に最大およそ3000本が売れるというからビックリ! なぜそんなに売れるのか? 長らく「札幌名物」と呼ばれてきたとうきびワゴンの謎に迫る。